5-4事例: 宝石の山久
宝石の山久(秋田県鹿角市花輪 代表 山崎祐一さん)は、鹿角市の中心商店街の中に位置する宝石店。高価な宝石類から鉱石、時計などを扱っている。長い間かけて集めたであろう希少価値のありそうな宝石や鉱石の数々。単にアクセサリーショップというには品揃えが広い。
この店をどう改善するか?現在は商売が小さくなってはいるものの、かつては高級品を求める顧客も多かったであろう。内外装にもこだわりがある。ここで問題となったのがU字型の陳列台である。中央に対面販売用の店員スペースがあり、店の中でこの存在はとても大きい。作り付けの台でもあり、解体するのも難しい。かつて栄華を極めた店舗にはこうした豪華な陳列台が、さあ今の時代にと考えたときに障害となることも少なくない。
もう一つ、品揃えの拡大に合わせて、商品が増えていく。かつては高額品のみで商売が成り立っていたが、購買力が下がり、なかなか高額品の売れ行きが厳しくなるにつれ、低価格の商品が増えていく。それが高額な宝石類を覆い隠すような陳列になっていく。高い商品を安い商品の山で埋め尽くしていく状態にある。
この課題は山崎さんとその息子さんも同様に認識していたことから、店の全体の回遊性を上げ低価格品の売り方と高額品の売場を分けて再構築することとした。
売場改装前ビフォア
売場改装後アフター
U字型の陳列台の位置を店舗中央から奥へ移動し、店舗入り口に回遊できるスペースをつくった。低価格商品はこの店舗入り口でゆっくりと見られるように。U字型展示台は奥のカウンター(ここから修理工房へつながっている)へとつながるため、じっくり商談する場合や修理依頼はこのスペースが活用できるようにとレイアウトを改善した。
こうした魅力的な店舗は、形や売るものが変わっても残り続けてほしいものである。
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